私が九州大学歯学部を卒業した頃、審美歯科なんて洒落た言葉はまだありませんでした。新米の歯医者さんが選択できるのは、直ぐに一般開業医に勤めて実践の腕を磨くか、大学に残り専門の腕を磨くか、 の二つだけ。そして大学には補綴科(さし歯や入れ歯を作る治療)、保存科(歯の神経を取ったり、歯槽膿漏の治療をしたりする治療)、口腔外科(抜歯や顎に関する骨折や腫瘍の治療)、予防歯科、小児歯科、放射線科、そして「矯正科」の講座があるだけでした。
「さて、どこの講座に残って腕を磨こうか・・・」と悩んだのですが、ただ歯を削っているのも飽きるし、虫歯がなくなっても矯正の需要は今後もあるだろうと考えて、矯正科に残ることにしたのです。(審美歯科をやる上では大きな武器になっているので、大正解でした)
矯正科に残って基礎的な研修を受けた後、指導教官の下で患者さんを担当したのですが「歯って動くんだ・・・!」という素直な驚きは新鮮で、喜びは格別でした。多くの諸先輩の先生方に矯正の技術と知識の教えを受けて、数多くの文献を読破して、毎日夜の 12時過ぎまで勉強に励んだのもこの時期です。学べば学ぶほど知らないことが増えて、ある意味とても面白い時期。はじめて勉強が面白いと思いました。
矯正治療を行う上で、矯正自体に関する多くの知識(例えば、各種のテクニック、使用材料の特性、顎の成長、歯の周囲組織の反応など)が必要なことは言うまでもありません。同時に、噛み合わせ(顎関節症を含む)、歯周病、などに関する知識も、特に大人を対象として治す時には必要となります。大学では組織研という研究班に所属して、矯正治療に伴う歯の周囲組織の反応の研究を手伝って、幅広く勉強していました。現在スピード矯正を行う上で、必要不可欠な選択をしたと思っています。
その頃、今では確立したインプラント、骨造成や組織再生、インプラント矯正もこの当時に日本国内はもちろん世界中で研究が行われていました。
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posted by saa-dental at 13:17|
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